日本では飲酒運転についての意識が2002年の道路交通法以降大きく変わりましたね。
今では飲酒運転で捕まってしまうと社会的に大きな信用を失い勤める会社もクビになる事が多いと聞きます。
アメリカでの飲酒運転のルールは、日本に比べると大きく違います。
だからお酒を飲んで飲んでも運転してもよいのかというと、決してそういう訳ではありませんが、車社会で電車もバスもない地域はたくさんあります。
こういった環境の違いが法律やルールの考え方の違いに繋がっているように思います。
私たち日本人は、アメリカ政府からビザの発給を受けて滞在許可を得ています。
飲酒運転の違反についてアメリカ政府は違反者に対してビザの資格停止が可能です。
今回は、ルールを詳しく解説するとともに、ビザの発給を受けている私達がどのように対処するべきかをご紹介したいと思います。
DUI(飲酒運転)の定義
アメリカでは飲酒運転をDUI(Driving Under the Influence)と呼ばれています。
私の住んでいるオハイオ州ではOVI(Operating A Vehicle Impaired)と呼ばれますが、DUIの方が一般的です。
21歳以上の場合、BAC(血中アルコール濃度)0.08%以上で飲酒運転と認められ、21歳未満の場合は、0.02%で飲酒運転とみなされます。
血中アルコール濃度0.08%の量は、60kg程度の体重の方で1時間に缶ビール3本、ワイングラス3杯、ウイスキーシングル3杯を摂ると到達する数値です。(個人差あり)
これは事実としてアメリカ社会では、BAC(血中アルコール濃度)が0.08%以内であれば刑罰に問われることはありません。
非常に厳格にこのラインで有罪か無罪かを判定します。
ですから、節度を保てば多少飲んでも大丈夫というのが現地の考え方です。
当然ですが、飲まないに越したことはありませんし、ビザで滞在する私達はそうだと分かっていてもするべきではありません。
アメリカの法律では、血中アルコール濃度が飲酒運転の判定材料となる為、警察に止められて行われる身体的な検査や、呼気検査では厳密な判定がつかない事になります。
様々な判定方法による結果と自供に基づいて容疑者となりますので、もし納得ができない場合は、血液検査をして判定する事が最終的な判断材料となります。
ビザとの相関について
飲酒運転DUIの刑罰が確定するとビザの取り消しを言い渡される可能性が非常に高いです。
2015年11月にアメリカではビザ取り消しに関しての更新がなされ、アメリカ滞在中に飲酒運転などで罪を犯した場合、ビザを取り消すことが可能になりました。
DUIはアメリカのほどんどの地域で刑法が適用され、指紋の採取と顔写真が記録として残り犯罪者データベース(NCIC)に登録されます。
実際に飲酒運転で捕まった日本人が、拘留から保釈されて1週間以内にアメリカ大使館からEメールにてビザ取り消しの通達を受けました。
本人は弁護士を通じて確認の上、刑が確定していない状態なのでアメリカ国外に出国しない限りはビザがは有効なので、I-94の滞在許可期間までは合法的に滞在が可能です。
強制退去を迫られることはありませんが、アメリが国外へ出国するとビザは失効する為、ビザの直しが必要となります。
私達は、一定の信用の下にアメリカ政府からビザの発給を認められています。
この立場をしっかり理解して飲酒運転は刑事犯罪と分かっていれば、飲酒運転がビザ保持者にとって、いかに危険な行為かが分かって頂けると思います。
飲酒運転で捕まってしまった時の対応
重要なのは以下のことです。
- 基本的に警察の指示に従う
- 怪しい動きをしない
- 弁護士と連絡を取りたいと明確に伝える
- テストは受ける方が無難(呼気テストなど)
- 取り調べ時点では黙秘(弁護士と連絡を取りたいと伝える)
- 拘留所ではなく病院で血液検査を受ける意志を示す
- 保釈後は同じ州の弁護士へすぐに相談
要するに、警察の指示には従うが、発言は全て弁護士を通して、違反の基準が明確になる血液検査を外部で受けるというのが最善の方法です。
特に大事なのが弁護士を利用して黙秘する事と血液検査を外部で行い結果をもって弁護士と相談する事。
警察が飲酒運転の疑いがあると判断した場合は、まず歩行にふらつきがないか歩かせたり、目をつむって片足を上げて10秒間ほど立っていられるかなどの身体の動きを確認します。
その次に呼気検査で血中アルコール濃度を換算して割り出し、規定の0.08%を超えていると判断されると免許証を没収、逮捕されて拘留所へ連れていかれます。
ちなみに、呼気検査を拒否した場合も同じ結果となりますので、心象の観点からも警察の指示に従った方が結果的に得策だと言えます。
検査の結果が基準値を超えている場合、90日から3年間の免許停止となります。
また、検査を拒否した場合は関係各所へ情報が通達されて、1年から5年の免許取得が停止されますのでDUIの刑罰を受けなかったとしても大きな代償を受ける事となります。
飲酒運転で刑罰を受けるとしても、自分が納得する事も大事です。
再度言いますが、血中のアルコール度数なので明確に分かる血液検査で判断をゆだねましょう。
弁護士の費用
ここでの弁護士は、飲酒運転の刑罰に関する弁護士の費用となります。
ビザのステータスなどに関する弁護士は、別に手配が必要なので注意してください。
初犯の場合は一般的に相場は$1000から$3000程度と言われており、この範囲を大きく外れる場合は内容の確認をした方が良いでしょう。
依頼者が有利になる事よりも早く結審させようと考える弁護士も世の中にはいるようですので普段から不測の事態を想定して、飲酒運転に限らず弁護士を探しておくのは大切な事だと思います。
まとめ
起こってしまった時はその信頼の回復に全力を尽くさなければなりませんが、そもそも飲酒運転を起こさない事が何よりも重要です。
最近は、UberやLyftなどで自分が運転しなくてもお酒を楽しみ簡単に移動できる手段があります。
リスクを考えれば$20-$40程度の交通費は安い買い物ですので、そんなマインドでお酒を楽しみたいですね!
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